川端康成の「雪国」の相関関係について10

6 まとめ

 脳内は、電気信号が縦横無尽に高速で回っている。川端康成の「雪国」執筆時の脳の活動として、人間一般のものではなく、特筆すべきこととして、駒子の三味線の稽古の場面で見えてくる目的達成型の認知発達を取り上げた。この小論の実験を通して、正の相関があることが分かった。平たく意義としたい。
 作家の執筆脳を探るシナジーメタファーの研究は、花村(2018)でも記したように、①Lのストーリーや②データベースの作成、さらに③論理計算や④統計によるデータ処理が必要になる。しかし、最初のうちは、一つの小説について全てを揃えることが難しいため、4つのうちとりあえず3つ(①、②、③または①、②、④)を条件にして、作家の執筆脳の研究をまとめるとよい。ここでは、①、②、④の条件を満たしているため、「川端康成と目的達成型の認知発達」というシナジーのメタファーは、成立していると考える。

参考文献

川端康成 雪国 講談社文庫 1979
花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书-面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方について-トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖  日语教育与日本学研究(上海分会)ー大学日语教育研究国际研讨会论文集 2018
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 シナジーのメタファーについて考える-ナディン・ゴーディマ意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとはー無と創造」から目的達成型の認知発達へ  日语教育与日本学研究(上海分会)ー大学日语教育研究国际研讨会论文集 2018
前野昌宏 回帰分析超入門 技術評論社 2012

シナジーのメタファー4

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です