高行健の文学の理由-20世紀の中国文学6

 作家は、創生の主役を担わない、また自己精神を錯乱させて狂人に変え、現世を幻に変え、体以外のものは全て浄罪界になり、自然と降りることはない。他人はもちろん地獄で、自我が制御できなければ、どうしてこのようにならないのか。未来のために自分を祭りの品にし、人を犠牲にする必要はない。
 作家は、預言者ではない。人を騙さず、妄想を失くし、同時に自我を審査する。自我が混沌となり、質疑の下、世界が他人を興すと同時に自己を回顧してもよい。災難や圧迫は、外部から来て、自身の臆病は苦痛を深刻にし、他人に不幸をもたらす。
 作家は、真実を提言する。作家は、真実の洞察力を把握し、作品の品格の高低を決定する。作家は、粗探しをしながら独特の叙述方式の過程の中で感知を実現する。
 作家は、報酬を計算せずに自分の必要を書き、自身を肯定するだけでなく、社会に対して挑戦するのも自然である。作家個人の感情は、作品の中で解けて文学になる。作品が社会に対する挑戦となる。不朽の名作とは、時代や社会の有力な回答である。喧しいことは消え、読者が繰り返して読むことにより作品の中の声が残る。文学は、正に歴史の補充である。

参考文献

高行健 高行健短編小説集 聯合文學 2008
高行健 母(飯塚容訳)集英社 2005
花村嘉英 高行健の「朋友」の執筆脳について ファンブログ 2022
 

高行健の文学の理由-20世紀の中国文学5

3 作家と読者の関係

 高行健は、10年前「霊山」の後、短文を書いている。文学はもともと政治とは無縁で、単に個人の事情であり、まずは観察で経験に対する回顧となり、憶測や感受も心態の表現で思考に対し満足する。
 作家は、ただ話して書く際、一個人であり、他人は、聞くも聞かないもでき、読むも読まないもできる。作家は、人民に命じる英雄でなく、偶像崇拝に値せず、罪人や民衆の敵でもない。権力や勢いが敵人を作り、民衆に注意を移すと、作家はある種の犠牲品になる。不幸のために眩暈がする作家は、以外にも祭品に当たり光栄となる。
 作家と読者の関係は、作品を通じて精神的に交流するだけである。読み書きは、自分で感じ自分で願う。そのため、文学は大衆においてどんな義務にも負けない。作家は、創作に従事する。難を持って生を維持するもある種の贅沢として精神的に満足する。出版作業は幸せである。社会の認可を求めず、報奨を望まない精神活動だからである。

花村嘉英(2022)「高行健の『朋友』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー2

高行健の文学の理由-20世紀の中国文学4

 文学は、権力を飾り付けず、社会の風雅に非ず、自ら価値判断を有する。つまり、審美を理解する。審美は相関し、文学ならではの判断になる。文学を通じて良く影響され、鑑賞力が身に付く。閲覧中から作者に詩意の興味を与え、崇高が笑いを生み、悲しみが怪談となり、幽黙は嘲諷になる。
 詩意は、抒情より来て、作家の無節制による自変は、幼稚病であり、初めて学んで書くときはこれを免れない。抒情には多くの区切りがある。詩意は、隠れていて距離を持って注視する。この注視は、作家本人を審査し、著作の人物を越え作者の上にあり、作家の第三の眼となる。
 文学は、芸術と同じではあるが、モダンで年と共に変わり、価値判断は、時代の流行を区別することに等しく、芸術において新たなものになる。作家の価値判断が市場の行動を追従するならば、文学の自殺行為になる。 

花村嘉英(2022)「高行健の『朋友』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー2

高行健の文学の理由-20世紀の中国文学3

2 第三の眼 

 現在、一人の作家は、意を刻み、民俗文化を強調し、総じて疑いもする。私の出生、使用言語、中国の文化伝統は、自然と身の上にあり、文化も総じて言語と密に創刊し、感知を形成し、ある種の思考や表現は、隠れた特殊方式を比較する。しかし、作家の創造性は、この種の言語で言い過ぎたところから始まり、この種の言語で十分に表現しないところは、訴えていう。言語芸術の創造者として自己に民族意識を張らなければならない。 
 文学作品の超越した国境は、翻訳や語種を越え、地域や歴史を越えて形成する特定の社会習俗や人間関係、深く染み出る人間の性質は、人類普遍が互いに通じ合う。作家は、誰でも民族文化の外にある多重文化の影響を受け、民族文化の特色を強調し、旅行業で広告を考慮しなければ人生を疑う。
 文学は、人の生存に対し苦難の世話をしてくれる。文学に対する限定は、総じて文学以外の政治、社会、倫理、習俗の企画が文学に鋏をのせ、各種の枠組みに至り、装飾として好まれる。

花村嘉英(2022)「高行健の『朋友』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー2

高行健の文学の理由-20世紀の中国文学2

 20世紀の中国文学の災難は、文学の革命が個人を死地に置いたことであり、革命の名義を持って中国の伝統文化の盗伐が公然と禁書や焼書をもたらした。作家は、殺害を被り監禁され、放流そして罰せられ、苦役をもってこの百年に関し計算するものがなくなり、中国の歴史上、一時代では比較の仕様もなく無比の苦難に満ち、自由な創作がさらに難しくなった。
 作家がもし思想の自由を要すると思うならば、それはすでに逃亡になる。黙っていれば自殺と同じで、当否は、自殺を封じる。さらに自分個人の声を発する作家は、逃亡するしかない。毛沢東の時代には、逃亡を続けることもできなかった。個人で独立志向を保持したければ、自言自語は可能でも秘密裏に行う。自言自語は、文学の起点であり、感受を起して思考を言語の中に注入し、書面を通して文字に訴えると、文学が成立する。 
高行健の執筆の履歴は、文学が根本的に自身に対する価値の確認になり、書く際にすでに肯定がある。文学は、まず作者自身が満足を要求し、社会の効果の有り無しは、作品完成後のことであり、作者側が決めることではない。
 言語は、人類の文明による結実であり、精微であり、難を持って理解し、利用できる機会を使い、感知を貫通し、感知の主体に対し世界の認識を同封しリンクを張る。書き留めた文字を通過するとまた奇妙になり、孤立した個人に任せ、異なる民族や異なる時代の人でも橋渡しをする。文学の執筆や閲覧の現実性が他と同様に恒久の精神価値を有し、こうしたリンクがともに起こる。

花村嘉英(2022)「高行健の『朋友』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー2

高行健の文学の理由-20世紀の中国文学1

1 文学と作家

 高行健は、文学の理由として一人の作家の声について説明する。作家も人民の代弁者とか正義の化身として説けば、微弱ではない。個人の声は、真実に至る。彼の言い分は、文学も個人の声であり、国家の頌歌や民族の手本となり、伝搬手段を用いて勢いが増し、天地を覆いつくすも、すぐに本性を喪失し権力や利益の代用品に変わる。 
 この一世紀、文学は、不幸に見舞われた。政治の権力が深まり、作家は甚だしく迫害を受けた。文学は、自身の存在理由を擁護し政治の道具にならないようにする。そして、個人の感受を出て、文学が政治を離脱するとか政治に口出しし、関連する所謂傾向性や作家の政治傾向など、これに類する論戦も20世紀ならではの文学の病気といえる。こうした相関が起す伝統の革新や保守革命は、文学の問題を進歩に変え、反動の争いを起し、皆の意識形態を怪しくする。意識形態が権力と結合し、現実の勢力に変わり、文学は、個人が共に災いを被るようにする。

花村嘉英(2022)「高行健の『朋友』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー2

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について6

4 相関係数を言葉で表す

数字の意味を言葉で確認しておこう。 

-0. 7≦r≦-1.0 強い負の相関がある
-0.4≦r≦-0.7 やや負の相関がある
0≦r≦-0.4 ほとんど負の相関がない
0≦r≦0.2 ほとんど正の相関がない
0.2≦r≦0.4 やや正の相関がある
0.4≦r≦0.7 かなり正の相関がある
0.7≦r≦1 強い正の相関がある

5 まとめ

 フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”のデータベースのうち、言語の認知のカラム、注意が1ある、2ないと、情報の認知のカラム、人工知能で1適応、2反応は、負の強い相関関係になることがわかった。
 
【参考文献】

花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书-面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方-トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖  中国日语教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ  中国日语教学研究会上海分会論文集 2019    
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する-危機管理者としての作家について  中国日语教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 フランツ・カフカの「変身」の執筆脳について ファンブログ 2020
前野昌弘 回帰分析超入門 技術評論社 2012
Frannz Kafka Die Verwandlung Reclam 1984

シナジーのメタファー1

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について5

表2 計算表

A 1 4 5
偏差 1.5 -1.5 0
偏差2 2.25 2.25 4.5
B 2 3 5
偏差 -0.5 0.5 0
偏差2 0.25  0.25  0.5
AB偏差の積 -0.75 -0.75 -1.5

◆相関係数は、次の公式で求めることができる。

相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和

上記計算表を代入すると、

相関係数 = -1.5/√4.5 x 0.5 = -1.5/1.5 = -1

従って、負の強い相関があるといえる。

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について」より

シナジーのメタファー1

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について4

A 言語の認知(感情の縺れ):1ある、2ない →4、1
B 人工知能:1記憶、2感情 →2、3
 
◆A、Bそれぞれの平均値を出す。
Aの平均:(4 + 1)÷ 2 = 2.5 
Bの平均:(2 + 3)÷ 2 = 2.5
◆A、Bそれぞれの偏差を計算する。偏差=各データ-平均値  
Aの偏差:(4 – 2.5)、(1 – 2.5)= 1.5、-1.5
Bの偏差:(2 – 2.5)、(3 – 2.5)= -0.5、0.5
◆A、Bの偏差をそれぞれ2乗する。
Aの偏差2乗 = 2.25、2.25
Bの偏差2乗 = 0.25、0.25
◆AとBの偏差同士の積を計算する
(Aの偏差)x(Bの偏差)= -0.75、-0.75
◆AとBを2乗したものを合計する。
Aの偏差を2乗したものの合計 = 2.25 + 2.25 = 4.5 
Bの偏差を2乗したものの合計 = 0.25 + 0.25 = 0.5
◆Aの偏差xBの偏差の合計を計算する。-0.75 – 0.75 = -1.5

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について」より

シナジーのメタファー1

フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について3

3 小説の場面に適用する

表1 

A Zuerst wollte er mit dem unteren Teil seines Körpers aus den Bett hinauskommen, aber dieser untere Teil, den er übrigens noch nicht gesehen hatte und von dem er sich auch keine rechte Vorstellung machen konnte, erwies sich als zu schwer beweglich; es ging so langsam; 言語の認知1 人工知能2

B und als er schließlich, fast wild geworden,mit gesammelter Kraft, ohne Rücksicht sich vorwärtsstieß, hatte er die Richtung falsch gewählt, schlug an den unteren Bettpfosten heftig an, und der brennende Schmerz, den er empfand, belehrte ihn, daß gerade der untere Teil seines Körpers augenblicklich vielleicht der empfindlichste war. 言語の認知2 人工知能2

C Er versuchte es daher, zuerst den Oberkörper aus dem Bett zu bekommen, und drehte vorsichtig den Kopf dem Bettrand zu. Dies gelang auch leicht, und trotz ihrer Breite und Schwere folgte schließlich die Körpermasse langsam der Wendung des Kopfes. 言語の認知1 人工知能1

D Aber als er den Kopf endlich außerhalb des Betttes in der freien Luft hielt, bekam er Angst, weiter auf diese Weise vorzurücken, denn wenn er sich schließlich so fallen ließ, mußte geradezu ein Wunder geschehen, wenn der Kopf nicht verletzt werden sollte. 言語の認知1 人工知能2

E Und die Besinnung durfte er gerade jetzt um keinen Preis verlieren; lieber wollte er im Bett bleiben.
 言語の認知1 人工知能1

花村嘉英(2020)「フランツ・カフカの‟Die Verwandlung”の相関関係について」より

シナジーのメタファー1